女騎士と誓約したひとのブログ

 
 

筆圧感知レベルと画素ピッチ

先日の記事『液タブか板タブか』の続きになります。

前回では『オルレアンへ風と花を2』(以下:『2』)で背景線が汚くなった理由を書きましたが、今回は『オルレアンへ風と花を3』(以下:『3』)の背景線が綺麗になった理由を書いていきます。


まず結論を言ってしまうと「板タブのintuos3と 画素ピッチ0.270mmのディスプレイ環境にしたから」です。


つまり条件は2つ。
ではまずはintuos3について。

世の絵描きの線の描き方にはざっくり分けて2種類あります。
わかりやすく図で説明しますとこんな感じ。
20170228_2.jpg
左の線は一回の線引きで線の太さをコントロールしてるのに対し、右の線は何本も細い先を描いて線の強弱を表現してます。
ピンクの線は実際ペンを引いてる位置を示してます。

一つ目は、一本の線で、太くしたり細くしたり強弱をつけるタイプ。(以下:左タイプ)
二つ目は、幅が一定の細い先を何本も引いて並べることによって線の強弱を表現するタイプ。(以下:右タイプ)

…で。ボクは完全に右タイプ。そして右タイプの人はintuos3がおすすめ。
逆に左タイプの方は最新のintuos proをおすすめします。
ちなみに言うまでもありませんが、どっちが良いか悪いかはありません。完全に好みの話。

ではなぜ右タイプはintuos3と相性が良いかというと、intuos3は単純に線の強弱がつけづらいからという理由に尽きます。(最近のものと比較してですが。)
タブレットには筆圧感知レベルというものがあり、最新のものだと8192レベルあるのですが、わずかな筆圧でも敏感に反応することなり、それが線の強弱となって表現されてしまう。
しかしintuos3は1024レベル。最新のものより1/8段階に収まってくれるので、わずかな筆圧の違いくらいでは一定の太さの線になって表現される。
スペック的には低いはずが、それが逆に良いのです。

20170228_1.jpg
あくまでイメージ図ですがこんな感じ。
上記図の2本の線は両方とも同じ力で描いてます。なのにintuos3は線の太さが比較的一定なのに対し、最近の液タブやinutos proでは線の強弱が激しい。

以上の条件から右タイプに適したタブレットはintuos3であるとお分かりいただけたかと思います。


ちなみに自分はintuos4と5は使ったことありませんが、板タブ使用者たちの間でintuos3の描き味だけは異質扱いされているので、恐らく右タイプに相性良い板タブはintuos3だけになるかと思います。
板タブでもいわゆる下位モデルのBambooや最新だと"intuos"("pro"が付かない)も筆圧感知レベルが1024ですが、同様にinutuos3の描き味とは異なるのではないかと思います。(使用したことがないので間違ってる可能性もあります。)





それでは線が綺麗になった条件二つ目。画素ピッチについて。

長くなりそうなので細かい説明は省きますが液晶ディスプレイというのは点(ドットとかピクセルと呼ばれてるもの)の集合体でできてます。
そしてそのピクセル自体にも大きさがあり、それは画素ピッチという名前で表記されてます。
画素ピッチの数値が小さくなればなるほど、繊細で細かく綺麗な映像に見えるようになります。

しかし端的に言ってしまえば、画素ピッチが小さいと線の状態が把握しづらくなるのです。
それが『オルレアンへ風と花を2』を描いていて気付いた重要なポイントでした。

ボクが『オルレアンへ風と花を2』で使用してた液タブ27QHDの画素ピッチは0.233 mmです。
それに比べ、『オルレアンへ風と花を3』で使用した通常の液晶ディスプレイはL997というモデルで画素ピッチ0.270mmです。

描き比べてみて断然L997の画素ピッチ0.270mmの方が線の状態がわかりやすかったです。

同じ拡大率でも画素ピッチが小さいと肉眼では小さく見えるので線の状態を把握しづらい。
これは前回のブログ記事で言った、絵を縮小した状態で描くと、一部省略表示されるから線の状態がわかりづらいという部分とリンクしてます。


あとはもう一点付け加えるなら画素ピッチが大きい方が目が疲れないのもメリットでしょう。
条件その2「画素ピッチ0.270mmのディスプレイを選べ」ですね。




メーカーは技術を売りにしたいので、筆圧感知レベルはどんどん上げていくし、画素ピッチはどんどん小さくしていく。
しかし人間の身体はその進歩についていけてないとボクは思います。
機器の技術進歩がイコール絵をうまく描けることには結びつかないんじゃないでしょうか。(…と、ボクは最近思うようになりました)


見方を変えれば、新しいものに付いていけないオッサンか懐古趣味と言えなくもないです。
ただ現状intuos3は簡単に手に入るし、画素ピッチ0.270mmのディスプレイもまだまだ主流です。
それらが完全に手に入らなくなったらその時初めて次の環境に移ることを考えればいいんじゃないでしょうか。
時々新しいものに触れて試しながら。
そもそも新しいものに触れたり挑戦したりすることは大好きです。

ただし、今一番満足できる作品を作りたいのなら、新旧問わず今手に入るもので一番自身に合ってるものを選ぶのがベストである。
それがこれまでデジタル漫画・絵を描いてきて最近導き出した答えです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



最後にintuos3の注意点を少し・・・。

現在すでにintuos3は生産が終了している商品です。
(アマゾンのマケプレやヤフオクなどでは現在でも新品がそこそこ出ております。でも現実的には中古かな…。)

もしこの記事を読んでintuos3を今から手に入れようと思われた方いましたら、注意してもらいたいのが、intuos3のミディアムタイプにして下さい。スモールは小さすぎますし、ラージは大きすぎて前回の話であった「手首の動きだけで画面全体をカバーできる」という条件に当てはまりません。
そしてもう一つワイドタイプというのもあるのですが、最近の液晶ディスプレイはほぼワイド型なので扱いやすくはあるのですが、消耗品である専用のシートも生産終了されており、ヤフオクなどでさえも本体以上に出回らないのでこれからずっと使い続けるにはちょっと難しいです。

しかし通常のミディアムタイプのシートは今でも比較的簡単に手に入るので、まだしばらくは使っていけます。
ただし最近主流のワイド型ディスプレイと縦横比があわないので、intuos3の上下端を切り捨て縦横比をあわせる設定をする必要が出てきます。
そんな難しい設定じゃなく検索などすればやり方が出てくると思いますので必ず設定しましょう。

あと、自分はWIN10でIntel Core i5ですが問題なく動作しております。

ではまた!
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