女騎士と誓約したひとのブログ

 
 

液タブか板タブか

液晶タブレット(以下:液タブ)や板タブレット(以下:板タブ)について検索すると、液タブの優れた点羅列したり褒めちぎる内容の記事やまとめばかり出てくる。
液タブを否定して板タブを褒める記事なんてナッシング!!

しかしボクは言いたい。
中にはボクのように液タブが全く合わない絵描きもいるということを。


「『オルレアンへ風と花を2』では背景線が汚くなった。」
「『オルレアンへ風と花を3』では背景線が2と比べて綺麗になった。」

長くなってしまうので汚くなった理由と綺麗になった理由をわけてご説明したいと思います。
今日はまず汚くなった理由から。


まずはこの絵を御覧ください。(背景線ではなくキャラ線で説明していきます)
このイラストは液タブ27QHDでペン入れしました。
20170220_5.jpg
ポーズとかデッサンとかそういうのは無視していただいて、着目してもらいたいのは線です。
今から線のお話をします。

拡大すると…
20170220_6.jpg
なんと至る箇所の線が枝毛みたいにバラバラ…。赤丸で囲んだ部分が全てそうです。
線と線の繋ぎ目がしっかり重なっておらずバラバラになっている状態。
多少は味になったりするけど、ここまで来るとさすがに辛い。

20170220_7.jpg
続いてこっちは数年前のものですが板タブのintuos3で描いた線。
枝毛箇所がほぼありません。


なんで液タブでペン入れするとこんなバラバラ枝毛が発生するかというと、それはいわゆる手元で直感的に縮小状態で描けてしまう(or描いてしまう)から他ならないです。
縮小状態ってことは線が潰れてドットレベルの話になると一部省略表示されるので、拡大した時の状態がわからないのです。

だったら最初から拡大した状態で描けばいいと思われた方いるかもしれませんが、実際27インチのディスプレイ上に目一杯拡大して長時間描いてみて下さい。肩や肘まで大きく動かさなきゃいけなくなるのでほぼ不可能です。数十分で疲れます。

どういうことか軽く図で説明しますと、27インチの液タブの場合はこんな感じ。
20170222_1.jpg
腕を動かしても左側部分や右下部分はカバーできず、肩を動かさないと届きません。
そして肩を頻繁に動かすと疲れます。

そこでボクは27QHDではディスプレイの左側(上記画像でいうところ左側の白い部分)はペンを持っていくのは諦め完全に切り捨てました。
なのでディスプレイ上の1/3はタブレットとしては無意味な箇所が発生しておりました。

そんな理由からウインドウパレットも全て右に配置。
左側はほぼ腕置き場でしたね…。


そして「一番動かす手首」の動きだけで描ける範囲は27インチディスプレイの中ではこれくらい(ピンク丸範囲)なので、その範囲内で極力線を描いていくとなると大体顔の大きさをくれくらいにして描きます。
しかしこのレベルの拡大ではまだドットが省略表示されており、線の繋ぎ目の正確な状態がわからない。
つまりこれが問題で、拡大するとさきほど上で紹介したような枝毛状態が多発する原因となるのです。



では板タブではどうでしょうか。
20170222_2.jpg
手首の動きだけで画面上の9割以上をカバーでき、ちょっと肘を動かせば肩を動かさなくても全てをカバーできてしまいます。
画面上全てを行ったり来たりするのに全く疲れないので、この図のように最初から絵を拡大した状態で描いていけるのです。

拡大しているということは絵が省略表示されずドットが正確に表示されてる状態なので当然線の良し悪しがわかりやすい。よって枝毛が発生しづらくなり、綺麗な線を描けるようになります。



液タブもその都度拡大して確認すれば枝毛は修正できますが、時間に追われてたらそんな余裕ありませんよね。
結果、印刷されたものを見て初めて気づくっていう。

アナログの紙ならね。一目見ただけで線の状態の良し悪しを確認できます。
しかし、デジタルは拡大もしくは印刷しないと線の本当の状態が判断できません。
これがデジタル絵で漫画線を描く上で一番のデメリットだとボクは思っております。

液タブは紙に描くような感覚で直感的に描けるっていうけど、感覚の問題であって実際は紙じゃないからね。どうあがいてもデジタルだから。
「直感的に描けるよ」という形を唱ってるだけで、その結果どうなるかの説明なんて皆無なのです。
後はあなたの腕次第。


ちなみに誤解の無いよう、今一度申しますが上記はペン入れに関して説明してます。
下描きだと話は別で、板タブでも拡大する必要はないでしょう。

というより拡大しないで下描きした方が良いです。
拡大すると全体像がわかりづらくなるので、この縮小時でしっかり下描きしておくべきでしょう。



まだあります。論点を変えます。
自分は頻繁にショートカットを使用するのですが、液タブについてるファンクションキーや、もしくは左手ツールは一切使わず、全てキーボードで行います。
液タブ板タブどちらについてもファンクションキーは用意されてますが、ボタンが少なすぎるし、反応速度が鈍いし、モデルチェンジの度に配置が変わるのでボクからすれば使い物になりません。
漫画ならキーボードでセリフを打たなきゃいけないですしね。

ですからどうしてもキーボードを設置する必要があるのですが、液タブだとキーボードを置く場所を確保するのがとても大変。大きな液タブになればなるほど置き場所に困る。
ワコムさんはね。ファンクションキーを進化させるより、液タブに装着できるキーボードとか、キーボードを設置するオプションパーツを開発した方がいいと思うのですよ間違いなく。

あと自分はマウスも併用するので、やっぱりマウスを設置する場所が必要です。
けど液タブ外の場所にセットするので27インチクラスになってくると腕を目一杯伸ばさないと手が届かない。しかしそれを頻繁に繰り返すと肘の筋が痛くなってくるという。



他にもありますね。
液タブは描くスピードが上がるとか、アンドゥの回数が減るとか、一点集中できるとか。
…板タブと変わらないよ。本当に変わらない。

もちろん実際変わる人はいるでしょう。
でもボクは変わらなかった。



最後になりますがこれはなにも自分を納得させるため、液タブは自分にいらないんだ!っていう踏ん切りをつけるためだったり、板タブを正当化するために書いてる・・・っていう記事じゃないです。
液タブを否定しているのではありません。液タブは優れたものでそれは間違いないです。

液タブ板タブどっちが優れているとか劣っているとか、そういうレッテル貼りでもなく、本当に自分が感じた思った経験したことを素直に嘘偽り無くボク個人の答えを記しているだけでございます。


みんなが、周りが、色んなクリエーターさんが尊敬する漫画家や絵師が「良い」というから良いもの、高級なものだから良いものだとか、自分の使い方が悪いからいけないのであって慣れれば良いものとかそういう考えがあったら一種の洗脳に近いです。

自分の心の奥で感じた思ったことを素直に信じたほうが良いです。
何で描いたかが重要なのではなく、どんなものが描けたかが重要なのですからね。

もし自分と同じような悩みや考えから検索などしてこのブログ記事に辿り着いた方いましたら、少しでも参考になれば幸いです。



次回は今日とは逆に「『オルレアンへ風と花を3』では背景線が2と比べて綺麗になった。」理由を追っていきたいと思います。
ではまた!
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